相続したご実家や、親族のお住まいなど、利用しておらず長期間放置している空き家をおもちではありませんか?
長期間空き家を放置すると、家屋の老朽化や近隣トラブルなどが起こる可能性が高まり、所有者の責任を問われてしまう自体にもなりかねません。
徐々にではありますが、放置空き家に関する法律も整備されてきており、使用していない空き家は適正に管理していく必要あります。
利用していない空き家は大きな負担になることもありますので、早めに処分したほうが良いケースも。ただ、空き家の中に家財が大量に残っているケースも少なくないことでしょう。
このコラムでは、空き家の整理・片付けについての様々なコンテンツをご紹介します。皆まさの空き家整理のお力になれれば幸いです。
■読みたい場所にジャンプできます
空き家の整理・片付け業者の選び方
空き家の中にある大量の家財を処分するのは、とても大変な作業になります。
自分たちだけで全てやろうとすると、多くの時間や労力が必要になってきますので、プロの清掃業者に依頼することも1つの手段です。
信頼できる業者の見分け方
信頼できる空家整理業者を見分けるには、その対応の丁寧さ、見積もりの透明性、過去の実績や口コミ、業者が所属する団体などをチェックすると良いでしょう。
評価ポイント | 詳細 |
---|---|
対応の丁寧さ | 業者とのコミュニケーションは整理の成功に大きく関わります。電話やメールでの問い合わせに対して迅速且つ丁寧に対応する業者は信頼できるといえるでしょう。 |
見積もりの透明性 | 費用の明確さも信頼性の一因です。具体的な費用内訳が明記され、予想外の追加料金が発生しない業者を選びましょう。 |
過去の実績や口コミ | 過去の施工例や口コミを確認することで、業者の技術力や対応力を把握することができます。 |
所属する団体 | 業者が業界団体に所属している場合、その団体の規定やルールを守ることが求められます。これは一定の品質を保証する一助となります。 |
空き家の整理・片付けの費用目安
空き家の整理・片付けの費用は様々な要因で金額が決定します。
同じ広さのお住いでも全く同じ費用になることは殆どありませんが「どの程度の費用がかかるのか事前に知っておきたい」というお声も多数いただくこともございますので、費用の目安を以下に掲載します。
間取り | 空き家片付け費用の相場 | 作業時間の目安 |
---|---|---|
1R・1K | 30,000円~100,000円 | 1~3時間 |
1DK | 60,000円~150,000円 | 2~4時間 |
1LDK | 70,000円~200,000円 | 3~6時間 |
2DK | 90,000円~250,000円 | 3~8時間 |
2LDK | 150,000円~300,000円 | 4~10時間 |
3DK | 180,000円~450,000円 | 4時間~1日 |
3LDK | 220,000円~500,000円 | 6時間~2日 |
4LDK以上 | 280,000円~ | 1日~ |
上記の料金表に掲載されている費用は、一般的な家財の物量で、処分に特別な費用のかかる残置物がなく、対象物件の前までトラックでたどり着ける場合の費用の一例となります。
空き家の整理・片付けのプロに任せる利点
空家整理のプロに任せる利点としては、以下のような点があれられます。
- 専門的な知識と経験を持つプロが作業を行うため、適切な処理が可能である
- 時間と手間を大幅に節約できる
- 予期せぬトラブルへの対応力がある
空き家の整理・片付け業者に依頼するデメリット
空家整理業者に依頼するデメリットとしては、費用がかかること、全てを業者に任せるためにプロセスの透明性が失われる可能性があること、不適切な業者に出会うリスクがあることなどがあります。
- 専門的なサービスを利用するため、それなりの費用が発生します。この費用は空家の状況や業者により大きく変動します。
- 全てを業者に任せると、自分では作業のプロセスが把握しにくい場合があります。これは業者の透明性によりますが、進行状況の報告などが不十分な場合、不安に感じることもあります。
- 業者選びに注意が必要で、不適切な業者に依頼してしまうと、不適切な処分や不十分な清掃、高額な費用請求などのリスクがあります。
空き家の整理・片付け業者の選び方や、空き家の片付けにかかる費用の相場などは下のコラムで詳細に解説しています。
自分で空き家整理を進めるには
業者に依頼すれば、心身に負担をかけずに空き家を片付けることはできますが、ある程度の費用は当然必要になってきます。
遺された家財がそこまで多くない場合や、どうしても費用をかけたくない場合は、ご自身で少しずつ空き家の整理・片付けを進めていくのも良いかもしれません。
クリーニング用具
空き家の片付けに欠かせないのが、各種クリーニング用具です。基本的な掃除用具から、特殊な汚れを落とすための道具まで、状況に応じて準備することが重要です。
具体的なリストは以下の通りです:
掃除用具 | 用途 |
---|---|
掃除機 | 床やカーペットの清掃に。 |
ブラシ | 狭い隙間や特殊な汚れを落とすために。 |
雑巾 | 床や家具の拭き掃除に。 |
ゴム手袋 | 汚れたものを触ったり、掃除をする際に。 |
ゴミ袋 | 不要物を収集するために。 |
お部屋ごとの作戦立案
空き家の片付けでは、部屋ごとに異なる作戦が必要となります。つまり、各部屋の特性を理解し、効率的な作戦を立てることが求められます。
たとえば、キッチンでは古い食品や調理器具の処分がメインになりますが、リビングでは家具や雑貨の整理が中心になります。また、物置や倉庫は大量の物が詰め込まれていることが多く、まずは大まかに判断することから始めましょう。
具体的な作戦立案の例は次の通りです:
部屋 | 掃除方針 |
---|---|
寝室 | ベッドやマットレス、衣類の処分を優先。 |
リビング | 家具の配置を決め、不要な物を分別。 |
キッチン | 古い食品を廃棄し、調理器具をチェック。 |
物置 | 大まかなカテゴリーごとに分別し、不要な物を一旦まとめる。 |
事前準備チェックリスト
- 各関係者とのコミュニケーションを取る
- 片付ける範囲
- 作業スケジュール
- 分別や廃棄方法の基本方針
- 必要なクリーニング用具を準備する
- 掃除機
- ブラシ
- 雑巾
- ゴム手袋
- ゴミ袋
- 分別用のゴミ袋を準備する
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- 資源ごみ
- 大型ゴミ
- 重たい物を運ぶための道具を準備する
- 手押し車
- ファニチャーダリー(家具移動用の台車)
- ベルトスリング
- お部屋ごとの作戦立案
- 寝室
- リビング
- キッチン
- 物置
以下のコラムでは、空き家の片付けを自分で進めていくために、あると便利なチェックリストや片付けの進め方に関してまとめています。
自分で空き家の片付けをする場合はトラブルに注意
自分で空き家の片付けをするとき、様々なトラブルに遭遇する可能性があります。
不用品の処分方法がわからない、重要な書類が見つからないなど、思わぬ問題に直面することがあります。一例を以下に挙げてみます。
- 不用品の適切な処分方法がわからない
- 個人情報が含まれるアイテムの適切な処理がわからない
- 貴重品の発見時にどう対応するか不明
- 重要な書類が見つからない
- 片付け作業中の安全対策が不十分
- ゴキブリ・ネズミなどの害虫・害獣との遭遇
空き家整理と買い取り
また、もしご自身で空き家の整理を進める場合、ゴミの廃棄はもちろんですが、アンティークの食器や有名な美術品など、意外な価値があるお品もでてくる可能性があります。以下に一例を挙げます。
家具と家電:ヴィンテージ品の可能性
例えば、昔のデザイナーズ家具や昭和レトロな冷蔵庫は、収集家やレトロ愛好家にとっては価値があります。
そのため、見た目が古くても、捨ててしまう前に一度買取業者に査定を依頼してみる価値があります。
服飾品とアクセサリー:ファッションの流行を再評価
ブランド物の服やアクセサリー、特に未使用のものは、高額で買い取られることがあります。
また、ヴィンテージのアイテムや古着は、現在では生産されていないデザインや質感が評価され、一部のファッション愛好家から需要があるかもしれません。
書籍とレコード:古き良き時代の価値
初版や希少な書籍、ビンテージのレコードなどは、収集家や愛好家から高く評価されます。
これらは、その時代の文化や価値観を反映しており、歴史的価値を持つこともあります。
アートと収集品:非日常の価値
絵画や彫刻、切手や硬貨などのコレクションは、その作者や歴史、希少性によって高額で買い取られる可能性があります。
特に、有名な作家の作品や限定品は、アート愛好家やコレクターからの需要があります。
乗り物:古い車やバイクの意外な需要
クラシックカーやヴィンテージバイクは、そのデザインや走行性能、そして歴史性を評価する愛好家が存在します。
そのため、古い年式の乗り物でも、状態が良ければ買い取り対象となる可能性があります。種類によっては完動品でなくとも、パーツ単位で再販売できる可能性もあります。
スポーツ・アウトドア用品:健康志向の高まりと共に
使用頻度の低い高品質なスポーツ・アウトドア用品は、新品を買うことができない人々やスポーツを始めたいと考えている人々からの需要があります。
例えば、スキーやサーフィンの道具、登山用品などは、買取対象となる可能性があります。
楽器:音楽愛好家にとっての価値
楽器も価値のあるアイテムです。特に、ビンテージのギターやブランド製のピアノなどは、その音色や歴史性を評価する人々からの需要があります。
処分の費用とゼロ円で持ち去ってもらうための条件
買取ができないものに関しては処分が必要になりますが、不用品の処分費用は、その品目や量、業者により異なります。
大型の家具や家電、特殊な廃棄物などは、処分にコストがかかることが一般的です。また、業者によっては、処分費用と買取価格を相殺し、ゼロ円で持ち去ってもらうサービスを提供しています。
しかし、ゼロ円で処分してもらうためには、以下のような条件があります。
条件 | 詳細 |
---|---|
買い取り可能な物品が一定量以上あること | 買取価格が処分費用を上回る場合に限ります。買い取り可能な物品が少ない場合や、全ての物品が買取対象外である場合は、処分費用が発生することが一般的です。 |
物品の状態が良いこと | 状態が悪い物品や壊れた物品は、買い取り価格が低下します。その結果、処分費用を上回ることが難しくなります。 |
物品の種類 | 買い取り価格が高い物品(ブランド品、アンティーク品、貴金属など)が含まれていると、ゼロ円での処分が可能になることがあります。 |
どのようなものが価値があるのか、また、そのようなときにはどうすればよいのかを以下のコラムで詳しく解説しています。
空き家の片付け・整理と感情
空き家整理は、過去の思い出などが詰まっていることが多く、感情的な困難さやツラサが伴うことがよくあります。
空き家の整理を始めたのは良いけれど、どんどんでてくる思い出の品に記憶が刺激されて色々なことが思い出されて…。感情的にツラくなって、作業を進めることができなくなってしまうこともあります。
なぜ空き家整理はつらいのか?
空き家整理がつらい理由は、物理的な負担だけでなく、感情的な負担が大きいからです。
愛着のある品々を手放すこと、家族の思い出を振り返ることなど…。これらの感情的な負担が、整理作業を難しくしています。
親の遺品を整理するとき、その品々が親の存在を思い出させるため、手放すのが困難になります。また、長年住んだ家を手放すことにより、そこに住んだ家族の思い出や日々の生活が蘇るため、感情的なつらさを感じることがあります。
これらが重なると、空き家整理は非常につらいものになります。
小さな進歩を認識し、自分を励ます方法
空き家整理は大きな作業であり、一度に全てを完了させることは困難です。
そこで大切なのは、小さな進歩を認識し、それを自分自身で評価することです。具体的には、以下のような方法があります。
方法 | 内容 |
---|---|
作業の分割 | 大きな作業を小さなタスクに分割します。一部屋全体を片付けるのではなく、一つの棚や一つの引き出しを片付けるといった具体的なタスクに分けることで、達成感を感じやすくなります。 |
タスクの記録 | 自分が何をどれだけ進めたのかを具体的に記録することで、進歩を視覚的に捉えることができます。タスクリストや日記などを活用し、自分の進捗を確認しましょう。 |
自分へのご褒美 | 一つのタスクを完了したら、自分へのご褒美を設定するのも効果的です。これにより、次のタスクに取り組むモチベーションを高めることができます。 |
以下のコラムでは、感情的な困難さとどのように向き合い、整理を進めていけば良いのかを解説しています。
空き家整理のつらさを和らげ、スムーズに進行するためのヒントを探してみましょう。
空き家に関する法律知識
「空き家を所有しているけど、具体的に何をしなければならないのか」、「空き家で放置していて、誰かに迷惑をかけてしまった場合の責任はどうなるのか」…など、空き家を所有しているのであれば、空き家に関する義務や責任について十分に把握しておく必要があります。
空き家問題と法制度の関連性
以下に、空き家所有者に責任が発生し得るケースをピックアップしました。
ケース | 詳細 |
---|---|
通行人への怪我 | 瓦が落ちた、フェンスが倒れたなど、空き家の状態が原因で通行人が怪我をした場合、所有者は賠償責任を負います。 |
隣地への越境 | 庭木が伸びて隣地に越境した場合、所有者はそれを剪定または撤去する義務があります。 |
不法侵入 | 管理が行き届かない空き家に不法侵入者が入り込んだ場合、その結果生じたトラブルに対する一部の責任を問われることもあります。 |
環境問題 | 未整理のゴミや雑草が周囲に迷惑をかけたり、害虫や害獣の巣窟になったりすると、所有者はその解決義務があります。 |
火災 | 管理が行き届かない空き家から火災が発生した場合、その影響を受けた周囲の住民から賠償責任を問われることもあります。 |
有者の義務と責任
空き家の所有者は、以下のように法律により様々な義務と責任を負っています。
法律 | 義務 | 具体的な例 |
---|---|---|
土地建物取引法 | 所有者情報の公開、空き家の状況の報告 | 所有者となったら市町村に報告し、空き家状況を定期的に報告します。 |
地方自治法 | 危険な空き家についての改修や除却 | 破損が激しく危険な状態の空き家は改修または取り壊しを行います。 |
建築基準法 | 建築物の維持管理 | 屋根の修理、外壁の塗装など、建物が危険な状態にならないよう維持管理を行います。 |
民法 | 他人に対する安全配慮義務 | 瓦が落ちないよう修理を行い、草木が隣地に越境しないよう管理します。 |
法律は空き家の適切な管理や近隣への影響の最小化を保証するために、所有者に特定の行動を義務づけています。具体的には、空き家が放置されていて、危険な状態(例えば、倒壊の恐れがあるなど)となっている場合、空き家対策法に基づき所有者に改修や撤去などの措置を命じることが可能となっています。
空き家にまつわる法律も以下のコラムでご紹介しています。
空き家に関する正しい知識を身につけ、適正管理をするようにしましょう。
【まとめ】空き家の整理・片付け完全ガイド
空き家の整理には多くの時間や労力が必要になります。専門の業者に依頼すれば簡単ですが、ある程度の費用が必ず必要になります。
この記事では、業者の選び方や費用の目安をはじめ、自分で空き家整理をする際の進め方から、精神的な注意事項までを網羅的にまとめてご紹介しました。
本コラムの空き家の片付け・整理に関する情報が空き家整理を検討している方の助けになれば幸いです。