空き家の片付け、一体どこから手をつけたらよいのか、どう進めたら効率的なのか迷っていませんか?
本コラムでは、片付けをスムーズに進めるための心構えから、必要な道具、具体的な進め方、そして忘れてはならないチェックリストまでを詳しくご紹介します。
一歩一歩、確実に空き家の片付けを進めていきましょう。
また、空き家の片付けについて網羅的にまとめたコラムもあります。空き家の整理・片付けについて詳しく知りたい方はこちらもぜひ御覧ください。
この記事の目次
空き家の片付けへの心構えと準備
空き家の片付けは、ただ単に物を捨てるだけではなく、感情や記憶と向き合う作業でもあります。
このセクションでは、心構えからスケジュール作り、家族や関係者との協議の仕方までをご紹介します。前もって心構えと計画をしっかりと立てることで、スムーズな作業を進めることが可能です。
心構えと目標設定
まず最初に心がけるべきことは、あなた自身の心構えと目標の設定です。
これが明確であれば、どこから始めるべきか、どう進めるべきかが見えてきます。
結論から言えば、「目標は具体的で達成可能なものにし、片付けは急がず一歩ずつ進める」という心構えが必要です。
具体的には、どの部屋を何日で片付けるのか、どのくらいの量を一日で処理するのかを決め、それを達成することを目標にします。そして、「完璧を目指すのではなく、一日一日の確実に進める」ということが大変重要です。
たとえば、目標を「一日に1部屋片付ける」から「一日に1つの棚を片付ける」に変えるだけで、達成感が得られやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。
具体的な目標を設定し、それを少しずつ達成していくことが、心構えと目標設定のポイントです。
片付け作業のスケジュール作り
次に大切なのが、具体的なスケジュールの作成です。こちらは「片付け作業は計画的に進め、無理なく自身のライフスタイルに組み込む」ということが大切です。
まず、自分の日常スケジュールと照らし合わせ、具体的にどの時間帯に何時間作業するのかを決定します。そして、それをカレンダーやスケジューラーに記入し、視覚的に把握できるようにします。
例えば、「午前中の2時間を空き家の片付けに充てる」、「週末に一日中作業を行う」など、自分の生活リズムに合わせてスケジュールを作ります。その際、予定が立て込んでいる日はあえて作業を入れず、リラックスする時間も設けるようにしましょう。
これがストレスなく続けられるスケジュール作りのコツです。
家族や関係者との協議
空き家の片付けには、家族や関係者の意見や協力も必要となることが多いです。全員が納得できる形で進めるためには、事前のコミュニケーションと共有が大変重要です。
具体的には、まず片付ける範囲、作業スケジュール、分別や廃棄方法についての基本方針を共有し、了解を得ることが必要です。
それぞれの意見を尊重し、可能な限り一緒に作業を進めることで、後でトラブルが起こるのを防げます。
また、特に価値のある物や思い出の品などは、関係者と一緒に決定することが重要です。
例えば、「特定の品物については、一緒に決める時間を設ける」、「価値のあるものは一旦保管して、後で一緒に選ぶ」などの取り決めをしておくと良いでしょう。
空き家の整理・片付けに必要な道具の準備

何から何まで自分で準備するのは大変ですよね。
ここでは、空き家の片付けに必要な基本的な道具をピックアップしています。効率的に作業を進めるためのクリーニング用具から、物を分類・分別するためのゴミ袋、さらには重たい物を移動するための道具まで、一覧にしてご紹介します。
クリーニング用具
空き家の片付けに欠かせないのが、各種クリーニング用具です。基本的な掃除用具から、特殊な汚れを落とすための道具まで、状況に応じて準備することが重要です。
具体的なリストは以下の通りです:
掃除用具 | 用途 |
---|---|
掃除機 | 床やカーペットの清掃に。 |
ブラシ | 狭い隙間や特殊な汚れを落とすために。 |
雑巾 | 床や家具の拭き掃除に。 |
ゴム手袋 | 汚れたものを触ったり、掃除をする際に。 |
ゴミ袋 | 不要物を収集するために。 |
これらは最低限必要なクリーニング用具です。汚れの状況によっては、専用のクリーナーを用意したり、追加の道具が必要になる場合もあります。
分別用のゴミ袋
片付け作業では、大量のゴミが出ます。その際、事前にゴミの種類ごとに分別することで、後の処分作業をスムーズに行うことができます。
予めゴミ袋をカテゴリーごとに用意し、ゴミを分けて捨てることを心がけましょう。例えば、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ごみ」「大型ゴミ」など、自治体のルールに合わせてゴミ袋を準備します。
また、価値のある物やリサイクル可能な物など、特別な処理が必要な物は別の場所に分けて保管します。これにより、後で一気に分別作業をする手間を省き、処分作業も効率的に進めることができます。
重たい物を運ぶための道具
空き家の片付けでは、重たい家具や家電を動かす場合があります。その際、適切な道具を用いて効率よく、かつ安全に運ぶことが重要となります。
運搬には以下のような道具が便利です。
移動用具 | 用途 |
---|---|
手押し車 | 大型のゴミ袋や重たい荷物を運ぶのに便利。 |
ファニチャーダリー(家具移動用の台車) | 家具や家電の移動に。 |
ベルトスリング | 二人以上での持ち運びに使用。特に重量物に有効。 |
これらの道具を用いて、無理なく荷物を運びましょう。重たいものを無理に持ち上げると怪我の原因になるので、安全を第一に考えて作業を進めることが大切です。
空き家の整理・片付けの進め方

空き家の片付けを始める前に、その進め方を明確にすることが大切です。
どの部屋から始めるか、どのように分類・分別するか、大きな家具や家電をどう扱うか、それぞれのポイントを押さえて進めることで、混乱することなくスムーズに作業を進めることができます。
お部屋ごとの作戦立案
空き家の片付けでは、部屋ごとに異なる作戦が必要となります。つまり、各部屋の特性を理解し、効率的な作戦を立てることが求められます。
たとえば、キッチンでは古い食品や調理器具の処分がメインになりますが、リビングでは家具や雑貨の整理が中心になります。また、物置や倉庫は大量の物が詰め込まれていることが多く、まずは大まかに判断することから始めましょう。
具体的な作戦立案の例は次の通りです:
部屋 | 掃除方針 |
---|---|
寝室 | ベッドやマットレス、衣類の処分を優先。 |
リビング | 家具の配置を決め、不要な物を分別。 |
キッチン | 古い食品を廃棄し、調理器具をチェック。 |
物置 | 大まかなカテゴリーごとに分別し、不要な物を一旦まとめる。 |
このように部屋ごとに作戦を立てることで、効率的に片付けを進めることができます。
分類・分別のコツ
空き家の片付けで大切なことの一つが、適切な分類・分別です。これは廃棄物の処分をスムーズに進めるために不可欠なステップです。以下に分類・分別のコツをいくつか紹介します。
分類・分別のコツ | 説明 |
---|---|
カテゴリー別に分ける | まずは、大まかなカテゴリーに分けてみましょう。例えば、家具、衣類、書籍、家電などに分けると良いでしょう。 |
廃棄物と再利用可能な物を区別する | 次に、それぞれのカテゴリー内で廃棄する物と、まだ使える、またはリサイクル可能な物を分けます。 |
地方自治体のガイドラインを確認する | 分別については、地方自治体によってルールが異なることが多いです。最適な処分方法を確認するためには、各自治体のガイドラインをチェックしましょう。 |
不確かな物は専門家に確認する | どのカテゴリーに分けるべきか迷ったときや、特殊な廃棄物の処理に困ったときは、専門家に相談することをお勧めします。 |
以上のコツを活用し、効率的な分類・分別を行いましょう。
大きな家具・家電の取り扱い
大きな家具や家電は、そのサイズや重さから片付け作業で難しいポイントの一つです。以下に、大きな家具・家電の取り扱いについてのアドバイスをいくつか紹介します。
大きな家具・家電の取り扱い | 説明 |
---|---|
移動方法の計画 | まず、大きな家具や家電をどのように動かすか計画します。必要に応じて、搬出ルートを確認し、家具の移動に必要な道具を準備しましょう。 |
安全対策 | 家具や家電を動かすときは、事故を避けるために安全対策が必要です。適切な持ち方や、安全具の使用などを心がけましょう。 |
廃棄物としての処分 | 大きな家具や家電を廃棄する場合、自治体の大型ゴミの収集サービスを利用することを検討しましょう。ただし、収集日や収集方法は地方自治体によって異なるため、必ず事前に確認してください。 |
リサイクルや販売の可能性 | まだ使用可能な家具や家電は、リサイクルショップに売ったり、ネットオークションで販売したりすることも可能です。ただし、これらの方法も手間と時間がかかるため、自分がそれを行う価値があるかどうかを慎重に考えましょう。 |
業者の利用 | 大きな家具や家電の移動や処分は、その大きさと重さから一人では難しい場合があります。そのような場合、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。業者は適切な機材や経験を持っており、安全かつ効率的に作業を進めてくれます。 |
大きな家具・家電の取り扱いは注意が必要ですが、上記のアドバイスを活用すればスムーズに進められるでしょう。
空き家の片付けを自分で進めるためのチェックリスト

チェックリストは、何をしたらいいのか、何を忘れていないかを確認するのに非常に便利です。このセクションでは、事前の準備から作業進行、そして最終確認までを含むチェックリストをご紹介します。これを元に、自分で進める空き家の片付けを確実に行いましょう。
事前準備チェックリスト
- 各関係者とのコミュニケーションを取る
- 片付ける範囲
- 作業スケジュール
- 分別や廃棄方法の基本方針
- 必要なクリーニング用具を準備する
- 掃除機
- ブラシ
- 雑巾
- ゴム手袋
- ゴミ袋
- 分別用のゴミ袋を準備する
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- 資源ごみ
- 大型ゴミ
- 重たい物を運ぶための道具を準備する
- 手押し車
- ファニチャーダリー(家具移動用の台車)
- ベルトスリング
- お部屋ごとの作戦立案
- 寝室
- リビング
- キッチン
- 物置
作業進行チェックリスト
- 作戦通りに各部屋の片付けを進行する
- 分別用のゴミ袋を利用してゴミを適切に分類する
- 重たい物は適切な道具を使って移動する
- 不用品は自治体のルールに従って適切に処分する
- 必要に応じて清掃業者に依頼する
- 定期的に休憩を取る
最終確認チェックリスト
- 全ての部屋が計画通りに片付いたか確認する
- ゴミは適切に分類され、処分される準備ができているか確認する
- 残された価値ある物やリサイクル可能な物の処理方法を決定する
- 心に留めておきたい思い出の品は適切に保存する
以上のチェックリストに沿って、計画的に進めていくことで、無理なく、かつ効率的に空き家の片付けを進めることができます。
特に、事前準備の徹底や作業進行中の定期的な休憩は疲労を蓄積させず、作業効率を上げる上で重要です。また、作業が完了した後の最終確認は、何も忘れていないか、適切な処理が行われたかを確認する上で必須のステップとなります。
これらのチェックリストを活用し、計画的かつ効率的に空き家の片付けを進めましょう。
空き家の片付けの後片付けとフォローアップ

片付け作業が終了したら終わりではありません。
廃棄物の適切な処分方法から、家の状態を維持するためのヒント、また、予期せぬトラブルに備える対策までをこのセクションで紹介します。きちんとフォローアップを行うことで、作業の完結と心地よい状態を維持することが可能です。
廃棄物の処分
空き家の片付けにおいて、適切な廃棄物の処分が重要なポイントとなります。ここでは、「廃棄物の種類別処分法」を掴み、効率的に進めていきましょう。
大型の廃棄物(家具や家電)は、自治体の大型ゴミ回収サービスを利用することが一般的です。自治体によっては有料の場合もありますので、事前に料金や収集日を確認しましょう。
また、リサイクル可能な物はリサイクルショップに売却する、オンラインオークションに出品するなど、再利用の道を探ると良いでしょう。
大量の不用品がある場合は、清掃業者や不用品回収業者を利用するのも効率的です。ただし、業者選びは慎重に行いましょう。信頼できる業者かどうか、料金は適正か、などをチェックすることが大切です。
片付け後の家の状態を維持するためのヒント
片付けが一段落した後は、「家の状態を維持する」ための工夫が必要になります。ここでは「定期的なメンテナンス」が重要となります。
少なくとも年に一度は家を訪れて、家の状態をチェックしましょう。必要に応じて掃除や修繕を行い、家の状態を良好に保つことが重要です。
また、空き家が長期間放置されると、周囲の景観を損なったり、犯罪の温床となる可能性もあります。これを防ぐためにも、家の周りの草むしりや塗装のメンテナンスなども忘れずに行いましょう。
万が一のトラブル対策
空き家の片付け作業では、思わぬトラブルに遭遇することもあります。そのため、事前の情報収集と適切な対応が大切となります。事前に自治体や専門業者から、片付けや廃棄物処分に関する情報をしっかりと収集しましょう。また、トラブル時の連絡先や手順も把握しておくと良いでしょう。
例えば、大型ゴミや危険物の処分に困った場合、専門業者に相談することができます。また、物品に盗難防止のためのセキュリティシステムを導入するなど、安全対策も考えておくと良いでしょう。
また、万が一、近隣住民からのクレームがあった場合も、事前に対策を練っておくことが大切です。予め近隣住民に挨拶をしておく、作業の日程を告知しておく、などの配慮を忘れずに行いましょう。
以上の3点、廃棄物の適切な処分、片付け後の家の状態維持、万が一のトラブル対策は、空き家の維持のため重要な要素です。
それぞれのポイントを心に留めて、効率的な作業進行を目指しましょう。
空き家の整理が難しい場合は、プロに依頼しよう

全ての作業を自分一人で進めるのは、時間や労力、さらには技術的な面で大きな負担となります。
特に、物量が多い、重い物が多い、作業時間に制限があるといった状況下では、専門業者に依頼することを考慮に入れても良いでしょう。
専門のクリーニング業者や片付け業者は、効率的な作業手順を持っており、安全かすスムーズに作業を進行してくれます。また、廃棄物の処理や法律に関する知識も豊富で、適切な廃棄方法や法令順守もしっかりとサポートしてくれます。
ただし、業者選びは慎重に行うことが重要です。信頼性、料金、サービス内容などを比較検討し、最適な業者を選びましょう。
空き家の片付け業者を利用するメリット・デメリット
利点 | 説明 |
---|---|
時間の節約 | 専門業者は作業の効率化に長けています。自分で行うよりもスピーディに、そして丁寧に作業を進めてくれます。 |
安全性の確保 | 専門的な知識と経験を持つプロならではの安全対策を取ってくれます。自分一人で行うよりも、怪我のリスクを大きく減らすことが可能です。 |
適切な廃棄物処分 | プロの業者は、廃棄物の処分方法についての法律やルールを把握しています。適切な処理を行ってくれるため、安心して任せることができます。 |
アフターフォロー | 専門業者は作業後のアフターフォローも行ってくれます。トラブルが発生した際の対応も安心できます。 |
【デメリット】
注意点 | 説明 |
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費用 | 専門業者に依頼すると費用がかかります。自分で行う場合に比べて、その分コストが上がることを考慮する必要があります。 |
プライバシー | 他人に自宅を見せるということは、ある程度のプライバシーの侵害を伴います。自宅の中に個人的物品が多い場合は、それらをどのように扱うかを事前に相談する必要があります。 |
業者選び | 信頼性のある良質な業者を見つけるのは難しいかもしれません。悪質な業者に遭遇しないためにも、選び方には十分注意が必要です。 |
以上のメリットとデメリットを踏まえて、自分にとって最善の選択を行いましょう。
【まとめ】空き家の整理・片付けを自分で進めるために
今回、自分で空き家の片付けを行うための具体的な手順とポイントについて解説しました。
まず、事前準備では「片付け計画の立案」、「必要な道具の準備」、「安全対策」の3つが重要となります。適切な計画を立て、必要な道具を揃え、安全に作業が進行できるように準備を整えましょう。
そして、「実際の作業進行」においては、慎重かつ着実に進めていくことが大切です。無理をせず、自身のペースを守りながら作業を進めてください。
最後に「廃棄物の処分」、「片付け後の家の状態を維持するためのヒント」、「万が一のトラブル対策」について、具体的な方法を示しました。適切な廃棄物処分と定期的なメンテナンス、そして予想外のトラブルに対する対策が、効率的な空き家の片付けには欠かせません。
以上の全てのポイントを押さえ、計画的に空き家の片付けを進めることで、スムーズかつ効率的な片付け作業が可能となります。これらのポイントを活用し、空き家の片付けを自分で行う挑戦に臨んでください。安全に、そして効率的に片付け作業を進めてみてください。