大切な人を亡くし、遺品整理を行うのは心が痛む作業ですよね。
でも、きちんと整理することで、故人との思い出を大切にしながら前に進んでいくことができます。
このコラムでは、遺品整理を自分で行う際に知っておくべきポイントをわかりやすくまとめました。
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遺品整理を始める前に知っておくべきこと
遺品整理を始める前に、まず確認しておくべきことがあります。それは、期限の設定と遺言書やエンディングノートの確認です。
期限を明確にしておこう
遺品整理を進める上で、期限を明確にしておくことは非常に重要です。特に、以下のような期限は意識しておきましょう。
- 相続税の申告期限(通常は10ヶ月以内)
- 賃貸住宅の退去期限
- 家の売却や引き渡しに関する期限
これらの期限を念頭に置いてスケジュールを立てることで、作業がはかどるでしょう。余裕を持ったスケジュールを設定することをおすすめします。
遺言書やエンディングノートを確認しよう
故人が残した遺言書やエンディングノートを確認することも大切です。遺言書には法的効力があり、原則としてその内容に従って相続を行う必要があります。一方、エンディングノートには法的効力はありませんが、故人の希望が書かれている場合があるので、参考にしてみましょう。
遺言書が見つかった場合は、そのまま開封せずに、まず家庭裁判所で検認の手続きをする必要があります。この手続きを経てから、内容を確認するようにしてください。
残す遺品を見極めるポイント
遺品整理で大切なのは、残すべき遺品を見極めることです。特に、以下のようなものは残しておくことをおすすめします。
- 現金や通帳、印鑑などの貴重品
- 契約書や権利書などの重要書類
- 故人との思い出の品(写真、手紙、日記など)
一方で、すぐに処分するか判断に迷うものは、一時的に保管しておくのも一つの方法です。部屋のスペースに限りがある場合は、写真に撮って記録に残しておくのも良いでしょう。
遺品整理で残すべきもの
遺品整理を進める上で、残すべきものと処分するものを見極めることが重要です。ここでは、遺品整理の際に残しておくべきものについて詳しく見ていきましょう。
貴重品や重要書類
まず、貴重品や重要書類は必ず残しておきましょう。これらは、相続手続きに必要となることが多いためです。具体的には、以下のようなものが該当します。
- 現金や通帳、印鑑
- マイナンバーカードや健康保険証
- 契約書や権利書
- 株券や債券などの有価証券
これらの貴重品や重要書類は、なくしたり誤って処分したりしないよう、慎重に扱うことが大切です。
思い出の品
故人との思い出が詰まった品々も、できる限り残しておきたいものです。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 写真やアルバム
- 手紙や日記
- 故人の趣味に関する品(コレクションなど)
- 故人の愛用品(アクセサリーや腕時計など)
これらの思い出の品は、形見分けとして家族や親族に譲ることもできるでしょう。
判断に迷うもの
残すか処分するか判断に迷うものは、とりあえず一時保管しておくことをおすすめします。じっくり考える時間を作ることで、後悔のない選択ができるはずです。
ただし、保管スペースに限りがある場合は、全てを残すことは難しいかもしれません。そんな時は、写真に撮って記録に残す方法も考えられます。デジタルデータとして保存しておけば、スペースを取ることなく思い出を残せます。
遺品の仕分け方法
遺品整理で残すべきものが明確になったら、次は実際の仕分け作業に移ります。ここでは、効率的に仕分けを進めるための手順やコツについて解説します。
仕分けの手順
仕分け作業は、以下のような手順で進めていくのがおすすめです。
- まず、遺言書や遺品リストがあれば確認し、残すべきものを把握する
- 次に、部屋ごとに区切って、一つずつ遺品を確認していく
- 確認した遺品は、「残す物」「処分する物」「判断を保留する物」に分ける
この手順を踏むことで、漏れなく遺品を確認し、適切に仕分けることができるでしょう。
仕分けを効率的に進めるコツ
仕分け作業を効率的に進めるには、以下のようなコツが役立ちます。
- 衣類や書籍など、カテゴリー別に仕分けを進める
- 段ボールや収納ケースを用意し、仕分けた遺品をその都度整理する
- 作業しやすい服装で臨み、こまめに休憩を取る
特に、カテゴリー別に仕分けを進めることは大切です。類似したものをまとめて確認することで、作業の流れがスムーズになります。
また、仕分けた遺品は、その都度段ボールや収納ケースに整理しておきましょう。散らかった状態だと、作業が停滞してしまう恐れがあります。
仕分け作業は肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。無理のない服装で臨み、こまめな休憩を取ることも忘れないでください。
遺品整理で出た不用品の処分方法
遺品の仕分けが終わったら、次は処分する物の扱いを考えます。ここでは、遺品整理で出た不用品の処分方法について、いくつかの選択肢を紹介します。
リサイクルする
まだ使えるような不用品は、リサイクルするのが良いでしょう。例えば、以下のようなものは、リサイクルショップで売却できる可能性があります。
- 家電製品
- 家具
- 衣類や靴
- ブランド品
リサイクルショップでの買取価格は、物の状態や需要によって変わります。買取不可の場合でも、無料で引き取ってもらえることがあるので、一度相談してみると良いでしょう。
寄付する
故人の趣味に関する品や衣類など、まだ使えるものは寄付するのも一つの方法です。寄付先としては、以下のような団体が考えられます。
- 社会福祉協議会
- NPOやボランティア団体
- 地域の福祉施設
寄付する際は、事前に受け入れ条件を確認しておくことが大切です。また、寄付した物がどのように活用されるのか、聞いておくと安心できるでしょう。
粗大ゴミとして処分する
リサイクルや寄付が難しい不用品は、粗大ゴミとして処分するのが一般的です。ただし、自治体によってルールが異なるので注意が必要です。
多くの自治体では、以下のようなルールがあります。
- 粗大ゴミの収集日が決まっている
- 粗大ゴミ処理券の購入が必要
- 一度に出せる量に制限がある
自治体のホームページなどで、ルールを確認してから処分するようにしましょう。
なお、大量の不用品がある場合は、自治体の収集では対応しきれないこともあります。そんな時は、粗大ゴミ回収業者に依頼するのも一つの手です。
遺品整理を自分たちでやるか?それとも業者に依頼するか?
遺品整理を自分たちでやるか、それとも業者に依頼するか悩まれている方も多いでしょう。
それぞれメリット・デメリットはありますので、一概にどちらが良いとは言えません。
以下チェック診断で、遺品整理を自分たちでできるかどうかを診断することができますので、お悩みの方はぜひお試しください。
【チェックで診断!】遺品整理は自分でできる?
遺品整理を業者に依頼するメリット
遺品整理は、自分で行うことができる一方で、専門の業者に依頼するのも一つの選択肢です。ここでは、遺品整理を業者に依頼するメリットについて見ていきましょう。
作業時間の大幅な短縮
何よりも大きなメリットは、作業時間を大幅に短縮できる点です。プロの遺品整理業者は、豊富な経験と効率的な作業手順を持っています。そのため、自分で行うよりもはるかに短い時間で、遺品整理を完了させることができるでしょう。
適切な遺品の処分
遺品整理で出た不用品の処分も、業者に任せることができます。リサイクルや寄付など、適切な処分方法を提案してくれるでしょう。
また、業者によっては、不用品の買取サービスを行っているところもあります。売却益を遺品整理の費用に充てることもできるかもしれません。
スムーズな部屋の明け渡し
故人が賃貸物件に住んでいた場合、遺品整理が終わった後は、部屋を明け渡す必要があります。この際、部屋の原状回復も求められるのが一般的です。
遺品整理業者の中には、原状回復作業も請け負ってくれるところがあります。プロによる作業なので、トラブルなく次の入居者に引き渡すことができるでしょう。
このように、遺品整理を業者に依頼するメリットは大きいと言えます。特に、作業時間に余裕がない場合や、片付けが困難な場合は、業者に相談してみることをおすすめします。
【まとめ】遺品整理で失敗しないための準備と手順
遺品整理を自分で行う際に知っておくべきポイントをまとめました。
遺品整理を始める前には、期限の設定と遺言書やエンディングノートの確認が重要です。また、貴重品や思い出の品、判断に迷うものを見極めることも大切でしょう。
仕分け作業は、部屋ごとに区切って効率的に進め、不用品はリサイクルや寄付、粗大ゴミ処分などの方法で処分しましょう。作業が難しい場合は、遺品整理業者に依頼するのも一つの選択肢です。
故人との思い出に向き合いながら、無理のないペースで遺品整理を進めていけたら良いですね。ぜひ、この記事を参考に、スムーズな遺品整理を目指してみてください。