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相続放棄後の実家の遺品整理、やってはいけないNG行為とは

相続放棄後の実家の遺品整理、やってはいけないNG行為とは

「相続放棄したから、もう実家とは関わりたくない」そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、相続放棄をしたからといって、実家の片付けが全く必要なくなるわけではないのです。

本コラムでは、相続放棄後の実家の片付けが必要になるケースや、その際の適切な手続き、注意点などを詳しく解説します。相続放棄後の実家問題でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

適切な手続きを踏めば、相続放棄後でも実家の片付けをスムーズに進められます。トラブルを未然に防ぎ、円滑に片付けを進めるためにも、本コラムをぜひ活用してみてください。あなたの相続問題の解決に、きっと役立つはずです。

続放棄した場合、遺品整理はできるのか?

相続放棄をした場合、相続放棄後は被相続人の財産に一切手をつけることはできません。遺品整理をした場合、相続放棄の意思表示の撤回とみなされる可能性があります。

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産を受け取る権利を放棄することを指します。相続放棄の手続きを行うと、被相続人の財産に関する一切の権利と義務から解放されます。つまり、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産についても関わりを持たなくなるのです。

では、相続放棄をした場合、実家の遺品整理はできるのでしょうか。

原則として、相続放棄後は被相続人の財産に一切手をつけることはできません。相続放棄した財産を勝手に処分したり、遺品整理を行ったりすると、相続放棄の意思表示を撤回したとみなされ、相続を受け入れたことになってしまうリスクがあります。

しかし、例外的に相続放棄後でも実家の片付けが必要となるケースがあります。たとえば、被相続人の住宅ローンの支払いのために実家を売却したり貸し出したりする必要がある場合、老朽化した実家が近隣住民とのトラブルのもとになっている場合、被相続人の老人ホームの費用支払い等のために実家の動産を換金する必要がある場合などです。

このような場合、家庭裁判所に「遺産管理人」を選任してもらい、その遺産管理人が実家の片付けや処分を行うことになります。遺産管理人の選任には、相続人の申立てが必要で、一定の費用もかかります。弁護士などの専門家に相談し、適切な手続きを踏むことが大切です。

また、遺産管理人が選任されて実家の片付けを行う際にも、いくつか注意しなければならない点があります。

まず、片付けは必ず第三者の立ち合いのもとで行うこと。公正な処理を行い、トラブルを防止するためです。また、動産を勝手に処分せず、換金が必要な場合は必ず遺産管理人に依頼すること。そして、被相続人の預貯金口座の解約や郵便物の転送依頼などは絶対にしないことです。

相続放棄後の実家の片付けは、リスクを伴う難しい問題です。安易に行動せず、専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを踏んで進めていくことが肝心です。

相続放棄後でも実家の片付けが必要なケース

相続放棄後は原則として被相続人の財産に手をつけることはできません。しかし、例外的に実家の片付けが必要になるケースもあります。ここでは、そのようなケースについて詳しく見ていきましょう。

住宅ローン等の支払いのため売却・貸付が必要な場合

被相続人が住宅ローンを組んでいた場合、相続放棄をしても、その債務は消えません。銀行から支払いを求められるケースがあります。そのような場合、実家を売却したり、貸し出したりして、ローンの支払いに充てる必要が出てくることがあります。

老朽化や空き家状態等で近隣住民とのトラブルが懸念される場合

亡くなった被相続人が住んでいた実家が老朽化していたり、空き家状態だったりすると、近隣住民とのトラブルのもとになることがあります。倒壊の危険があったり、不審者が侵入したりする可能性もあるからです。そのような場合、実家の解体や修繕などが必要になることがあります。

老人ホームの費用支払い等のため換金が必要な場合

被相続人が老人ホームに入所しており、その費用が未払いだった場合、相続放棄をしても、支払い義務がなくなるわけではありません。老人ホーム側から債務を求められる可能性があります。そのような場合、実家の動産を売却して換金し、費用の支払いにあてる必要が出てくるかもしれません。

相続放棄後でも実家の片付けが必要になるのは、このような特殊なケースに限られます。しかし、トラブルを防ぐためにも、財産を適切に処理する必要があります。その際に重要となるのが「遺産管理人」の存在です。次のセクションでは、遺産管理人の選任と手続きについて解説します。

相続放棄後の実家の片付けの進め方

相続放棄後に実家の片付けが必要になったら、どのように進めればよいのでしょうか。ここでは、「遺産管理人」の選任と、その手続き、必要な費用について解説します。

遺産管理人の選任

相続放棄後に実家の片付けを行うには、まず家庭裁判所に「遺産管理人」を選任してもらう必要があります。遺産管理人とは、相続人全員が相続放棄をした場合に、相続財産の管理と清算を行う人のことを指します。

遺産管理人の選任は、相続人や利害関係人の申立てによって行われます。家庭裁判所が適任者を選定し、その人に遺産管理人としての権限を与えます。

遺産管理人選任の手続きと必要な費用

遺産管理人の選任には、以下のような書類を家庭裁判所に提出する必要があります。

  • 遺産管理人選任申立書
  • 戸籍謄本等、相続人全員の相続放棄が確認できる書類
  • 遺産目録(被相続人の財産の一覧)
  • 相続人の同意書(必要な場合)

また、遺産管理人の選任にはいくつかの費用がかかります。主なものは以下の通りです。

  • 申立手数料:800円
  • 郵便切手:申立書類の送付に必要な額
  • 遺産管理人の報酬:遺産の額に応じて決まる(数万円から数十万円程度)

相続放棄後の実家の片付けの注意点

相続放棄後に実家の片付けを行う際には、いくつか注意しなければならない点があります。ここでは、その主な注意点を3つ解説します。

片付けは必ず第三者立ち合いの下で

遺産管理人が選任されて実家の片付けを行う際には、必ず第三者の立ち合いのもとで行うようにしましょう。相続人や関係者だけで片付けを行うと、不正な処理をしているのではないかと疑われるおそれがあります。

第三者の立ち合いがあれば、公正な処理が行われていることを証明できます。弁護士などの専門家に立ち会ってもらうのがベストですが、近所の住民など、中立的な第三者の立ち合いでも構いません。

動産の処分に注意

実家の片付けで出てきた動産については、勝手に処分しないように注意しましょう。特に、価値のありそうなものについては、安易に売却したり譲渡したりしないことが大切です。

動産の処分が必要な場合は、必ず遺産管理人に依頼しましょう。遺産管理人は、適正な価格で動産を売却し、その代金を相続財産に組み入れる必要があります。

その他の注意点

その他にも、次のような点に注意が必要です。

  • 被相続人の預貯金口座は、勝手に解約しないこと。
  • 被相続人宛の郵便物については、勝手に転送依頼をしないこと。
  • 実家の鍵を勝手に変更しないこと。

これらの行為は、相続放棄の意思表示と矛盾するものとみなされ、トラブルのもとになります。十分に注意しましょう。

以上のような注意点を踏まえつつ、適正な手続きを経て実家の片付けを進めることが大切です。

専門家に相談することの重要性

相続放棄後の実家の片付けは、法的にも実務的にも複雑な問題が絡むことが少なくありません。トラブルを防ぎ、適正な手続きを踏むためにも、専門家に相談することが大切です。

弁護士等への相談

遺産管理人の選任や実家の片付けについては、弁護士などの法律の専門家に相談するのがおすすめです。特に、以下のようなケースでは、弁護士に相談することが強く推奨されます。

  • 相続人の中に行方不明者がいるケース
  • 被相続人に多額の債務があるケース
  • 不動産の処分が必要なケース
  • 相続人同士でトラブルがあるケース

弁護士は、相続に関する法律に詳しく、適切な手続きを踏むためのアドバイスをしてくれます。トラブルを未然に防ぐためにも、早めに相談することが大切です。

適切な手続きを踏むことの大切さ

相続放棄後の実家の片付けには、適切な手続きを踏むことが何より大切です。法律に則った手続きを踏まずに片付けを行うと、トラブルのもとになります。

特に、以下のようなことは絶対にやってはいけません。

  • 相続放棄の手続きをせずに、勝手に実家の片付けを始める。
  • 遺産管理人を選任せずに、勝手に実家の不動産を売却する。
  • 被相続人の預貯金を勝手に引き出して使う。

このようなことをすると、相続放棄の意思表示と矛盾するものとみなされ、法的なトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

適切な手続きを踏むためにも、専門家に相談し、アドバイスを受けることが大切です。「お金がかかるから」と安易に考えず、トラブルを未然に防ぐための投資だと考えましょう。


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まとめ

相続放棄は、被相続人の財産を受け取る権利と義務を放棄することを指します。相続放棄をすれば、原則として実家の遺品整理はできません。

しかし、住宅ローンの支払いや老朽化した家の問題など、特別なケースでは相続放棄後も実家の片付けが必要になることがあります。その際は、家庭裁判所に遺産管理人を選任してもらい、適切な手続きを踏むことが大切です。

手続きが複雑なので、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。トラブルを未然に防ぎ、円滑に片付けを進めるためにも、プロのアドバイスを受けることが大切だと言えるでしょう。

相続放棄後の実家の片付けは、簡単には進められない難しい問題です。しかし、適切な手続きを踏めば、リスクを最小限に抑えつつ、スムーズに片付けを行うことができます。もし、あなたが相続放棄後の実家の片付けに悩まれているのでしたら、ぜひ専門家に相談してみてください。

このコラムの監修者

監修者:秋元 弥一郎
秋元 弥一郎FP / 空家コンサルタント/ 宅建士 

宅建士・ファイナンシャルプランナー・空き家相談アドバイザー・家財整理コンサルタント、等。
不動産業界10年以上の経験と、空き家の利活用から家財撤去まで幅広い経験を活かしながら、執筆者・監修者として活動中。

【著書】
自分ゴトとしての空き家問題今日から始める生前整理、など

家財の処分・空き家管理などは
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このコラムを執筆した人

解決・空家サポート 編集部

解決・空家サポート 編集部

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