実家の片付けをするために依頼した遺品整理。
時間もなく大変な作業だから事業者に依頼したはずです。それなのに見積もりとは違う高額請求や不当な追加料金など、想像もしなかったトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのです。
このコラムでは、実際に発生した遺品整理のトラブル事例をもとに、それらの具体的な対策と解決策を解説します。
遺品整理を検討している方や今まさに遺品整理についてお悩みになっている方にとって、このコラムが安全で心穏やかな遺品整理への道しるべとなることを願っています。
遺品整理についての情報を網羅的にまとめたコラムはこちらです。
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よくある遺品整理トラブルはコレ!
実際問題として、遺品整理の過程で、予期せぬトラブルに遭遇することは少なくありません。
このセクションでは、遺品整理でよく発生するトラブルとその原因を紹介し、失敗しないためのポイントを解説します。
遺品整理をスムーズに進めるためには、これらのトラブルを事前に知り、適切な対策を講じることが非常に重要です。
【トラブル1】作業後の高額な請求・事前説明のない追加請求
遺品整理を依頼する際、最も警戒すべきは、見積りとはかけ離れた高額請求や不当な追加料金の請求です。
予想外の金額を請求されると、業者への不信感やストレスで不快な思いをするだけではなく、実際に支払うことになってしまった場合に、経済的な負担も大きくなってしまいます。
作業後の高額な請求・事前説明のない追加請求をされないための対策
作業後の高額な請求・事前説明のない追加請求といったトラブルを避けるためには、遺品整理を始める前に、業者から正確な見積りを取得することが非常に重要です。口頭のみでの見積もりは絶対に避け、必ず見積書をもらいましょう。
また、見積もりと実際の請求に差異がある場合は、すぐに業者に問い合わせましょう。事前に案内されていない費用が計上されていた場合は、詳細な説明を求めるようにして、絶対にそのまま支払うことがないようにしましょう。
【トラブル2】遺品の中にあったはずの貴金属やアクセサリーの紛失
遺品整理を業者に依頼するうえで、特に注意が必要なのがアクセサリーなどの貴金属や現金などの貴重品の保全です。
遺品整理作業が終わった後に、取っておくはずだったアクセサリーが紛失していた、というトラブルもよく耳にします。
遺品整理を依頼するお住まいの中のチェックが済んでいない場合は、気をつけるようにしてください。
遺品の中の貴金属やアクセサリーを紛失されないための対策
万が一、金品が紛失していた場合は、速やかに業者に連絡し、事態の説明を求めることが重要です。また、必要に応じて警察に被害を届け出ることになるかもしれません、
このようなトラブルを未然に防ぐためには、遺品整理を依頼する前にかならず遺品をチェックすることが重要です。予め自宅に保管しておいたり、それが無理であれば一箇所にまとめて保管しておき、作業依頼時に保管場所にはさわらないように伝えるなどの対策が効果的です。
また、そもそも高価な貴金属の存在すら知らない場合もありますので、必ず一度確認してから業者に依頼するようにしましょう。
【トラブル3】回収した遺品の不法投棄
通常の遺品整理業者ならありえないことですが、格安を謳う遺品整理業者の中には、コストを削減するため(というか、最初からまともなビジネスをする気がないため)、回収した遺品を山中などに不法投棄している業者も存在します。
業者が適切な処分をせずに不法投棄し、それが発覚した場合、依頼者が予期しない法的な責任や追加の処分費用を負担することになる場合があります。
遺品を不法投棄されないための対策
まず、遺品整理業者との間で処分方法と処分場所について明確な確認を取ることが重要です。業者がどのような手順で遺品を処理し、どこに処分するのかをちゃんと説明できないのであれば、違う業者に依頼したほうが賢明です。
合わせて、業者から聞き出した処分場所も、ちゃんと許認可のある処分場なのかも注意する必要があります。
【トラブル4】保管予定のものまで処分されてしまった
遺品整理のなかで、保管予定だった大切な品物まで誤って処分されてしまうトラブルもあります。
自分たちには価値のあるモノでも、遺品整理業者から見れば処分するものに映ってしまうことも。悪気はなかったとはいえ、大切な遺品を処分されてしまうと、大きな後悔に繋がります。
保管予定のものまで処分されないようにするための対策
絶対になくしたくないものであれば、何より一時的にでも、安全な場所に保管しておくことが大切です。不動産の権利証や貴金属であれば簡単に持ち運べますので、遺品整理を依頼する前に一通りチェックして、移動させるものがあれば事前に移動させておきましょう。
また、簡単に移動できないものの場合は、勝手に処分されないように、事前に「残しておくものリスト」を作成して業者へ渡しておくか、大きく張り紙を貼っておきましょう。
実際の作業の際は、複数のスタッフが入れ替わりで作業するケースもあります。そのため、口頭だけで伝えることはトラブルのもとになりますので注意が必要です。
【トラブル5】依頼を解約しようとしたら高額なキャンセル料を請求された
高額なキャンセル料を請求されるというトラブルもよく起こります。
例えば、相見積りをとって、一番安い業者に依頼した後に、別業者から更に安い金額を提示されたので、先に依頼した業者にキャンセルをしてほしいと連絡したら、かなりゴネられたうえ、高額のキャンセル料を請求された、といったケースです。
高額なキャンセル料を請求されないための対策
キャンセル料に関するトラブルに巻き込まれないためには、見積もり時にしっかりとキャンセルについての詳細を確認しておくこと重要です。
また、業者を選ぶ際にもWEBサイトなどにキャンセルポリシーなどが掲載されていると安心ができます。
遺品整理トラブルに巻き込まれたら……
残念ながら、どんなに注意していても、トラブルに巻き込まれてしまう可能性はゼロにはなりません。
このセクションでは、遺品整理でトラブルに巻き込まれた場合の対処法を解説します。
もちろん、まず第一にその業者と話し合い、納得のできる対応をしてもらうことが一番重要ですが、それでも埒が明かない場合は、次に紹介するような対策を取る必要が出てきます。
消費者センターに連絡
遺品整理のトラブルに遭遇した際は、消費者センターに相談することが一つの手段です。消費者センターは、消費者の権利を守るための公的な相談窓口であり、トラブル解決のためのアドバイスやサポートを提供しています。
まずは、事前にトラブルの内容や経緯、業者との契約書ややり取りの記録など、相談に必要な情報を整理しましょう。これらの情報は、相談時に具体的な状況を伝えるために非常に重要です。
次に、最寄りの消費者センターに連絡を取り、相談の予約をします。電話やメール、ウェブサイトからの申し込みが可能な場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
相談時には、冷静に事情を説明し、可能であれば解決策についてのアドバイスを求めます。消費者センターの専門家は、様々なトラブルに対応していますので、安心して相談することができます。
このように、消費者センターへの連絡は、遺品整理のトラブルを解決するための有効な手段の一つです。トラブルに直面した際には、ぜひ活用してみてください。
警察に連絡
遺品整理の際に貴重品の紛失や盗難が疑われる事態に遭遇した場合、場合によっては警察に連絡する必要があるかもしれません。
連絡する前に、紛失や盗難に遭った貴重品の詳細、遺品整理を依頼した業者の情報、事前のやり取りの記録など、可能な限り多くの情報を整理しておきましょう。これらの情報は、警察に状況を明確に伝え、迅速な対応を促すために役立ちます。
実際に相談するには、最寄りの警察署に電話または直接訪問して相談を申し出ることになります。警察による対応は、状況や証拠の有無によって異なりますが、被害の状況を丁寧に説明することが大切です。
警察への相談は、特に紛失や盗難が犯罪行為に該当する可能性がある場合には、必要不可欠です。貴重品の紛失に気づいた際には、迷わず警察に相談し、適切な対処を求めましょう。
ヤバい業者を避けるためには
遺品整理を行う際に「ヤバい業者」を避け、信頼できる業者を見分けるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
まず、業者選びでは、事前の情報収集が重要です。インターネットでの口コミや評価、業者の公式ウェブサイトに掲載されている情報をチェックし、実際にサービスを利用した人の意見を参考にしましょう。
次に、見積もりを取る際には、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討します。このとき、見積もりの内訳が明確であるか、追加料金の可能性はないかなど、細かい部分にも注意を払いましょう。
また、業者とのコミュニケーションも重要です。作業内容や料金体系、納期などについて、明確な説明を受け、疑問点や不安点を解消できるかどうかを確認します。コミュニケーションがスムーズに行える業者は、信頼できる可能性が高いです。
信頼できる業者を見極めるためには、これらのポイントに注意しながら慎重に選ぶことが重要です。適切な業者選びによって、遺品整理をスムーズかつ安心して行うことができます。
ヤバい遺品整理業者を避けるためのヒントは以下コラムで紹介しています。
まとめ
遺品整理のトラブルを回避し、遺品整理をスムーズに行うためには、事前の準備と正しい業者選びが鍵となります。
まず、業者選びでは、透明性の高い見積もりや、明確な契約内容が重要です。貴重品の取り扱いについても事前に業者との間でしっかりと確認し、適切な対応を取ることが大切です。また、万が一トラブルが発生した場合には、消費者センターや警察への相談も有効な手段です。
信頼できる業者を選ぶことにより、遺品整理を安心して任せることができます。業者選びで重要なのは、情報収集とコミュニケーションの丁寧さです。適切な業者と協力して、大切な故人の遺品を丁寧に整理しましょう。