みなさんは「終活」について考えたことはありますか?
いつまでも健康で、自由自在に過ごせると思っている方も多いかもしれませんね。でも、ちょっと待ってください。生きているからこそ考えなければいけないことがあるんです。
「終活」は自分の生涯の終わりを想定し、未来の自分と周りの人々を守るための活動です。
特に、おひとり様の場合、家族やパートナーがいないからこそ、自分でしっかりと準備しておく必要があるのです。
何から始めればいいの?と迷う方もいるでしょう。
このコラムでは「終活」の必要性から始めて具体的な進め方まで、詳しく解説していきます。
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おひとり様にとっての終活の必要性
「終活って必要なの?」そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一人で生活する”おひとり様”の皆さまにとって、終活はとっても重要なのです。
大きな理由は、お一人様だからこそ、自分の意思が反映された形で生涯を終えるために、事前の準備が必要となるからです。
例えば、自分が亡くなった後の財産の扱いや、葬儀の形式など、自分の意志をしっかりと伝えておかなければ、亡くなった後に思わぬ混乱を招く可能性があります。
また、家族や親しい人々への負担軽減も終活の大切な目的です。
自分の死後の事をしっかりと準備しておくことで、亡くなった時の手続きや葬儀の準備など、悲しみに暮れる時期に手間取ることなく進行させることができます。
「知り合いも家族もいない、誰に迷惑をかけることもないから、終活なんて必要ない」そんな風に思っている独身の方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
終活の必要性は、人に迷惑をかけるかかけないかだけでは決まらないのです。
おひとり様の終活は自分自身の心のためにもなるのです。
自分の死を受け入れ、それに向き合うことで、人生の終わりに対する不安や恐怖を和らげ、現在をより積極的に生きるきっかけとなります。
終活で行うべきこと
終活には具体的に何をするべきなのか、見ていきましょう。大まかに分類して説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:身の回りの整理
最初に取り組むべきは「身の回りの整理」です。
不要なものはできる限り処分して、整理整頓をするようにしましょう。
身の回りの不用品の処分は、思っているよりも重労働です。一気に済ませようとすると、とても大変ですので、なるべく早い時期から少しずつ進めておきましょう。
捨てて良いものかどうかわからない場合は、一時的に保存し、「1年以上使用しなかった場合は捨てる」といったルールを自分で決めてルール通りに処分していくとスムーズに片付けることができます。
家財が大量すぎる…。体力的に一人では難しい…。そんな場合は、片付けのプロに依頼してみるのも良いかもしれません。
2:遺言書の作成
遺言書を作成することで、自分の財産の分け方を自分自身で決定できます。
法定相続人がいない場合でも、自分の意志に基づいて財産を託すことが可能です。遺言書には、公証役場で作成する「公正証書遺言」から比較的簡単に作成できる「自筆遺言」など複数の種類があるので、自分の目的やニーズに合った遺言書を作成することが望ましいです。
3:エンディングノートの記入
エンディングノートには、遺言以外の様々な情報を記入します。
エンディングノートは遺言書とは異なり法的な効果はありませんが、ノートを書く人が好きなように書けるというメリットがあります。
例えば、葬儀の形式や埋葬地、また自分がどのように人々に記憶されたいかという願いも含められます。
4:財産・負債の整理
自分が持っている財産(不動産や株券等の有価証券、仮想通貨など)と、負債(借金)を一覧にし、整理しておくことも大切です。
これにより、自分の死後に誰かが混乱することを避けることができます。
5:ライフプランの見直し
終活には、自分が亡くなった後だけでなく、これからの生活設計も含まれます。
年金生活に備えた資産運用や介護保険の加入など、ライフプランを見直すことも重要なステップとなります。
6:デジタル遺品の管理
最近では、デジタル遺品(デジタルアセット:SNSのアカウントやデジタルフォト、電子メールなど)のたり扱いも大きく注目されています。
これらの情報の管理方法を明確にしておくことも必要となります。
以上が基本的な5つのステップになります。
そのほか、例えばペットを飼っている人は、ペットの世話をどうするか決める必要がありますし、法人の代表者などに就任している場合は、自分の死後どうするかを決めて置かなければいけません。
このように「終活で必要になること」は、各人のライフスタイルや価値観によって大きく異なります。
自分にとって最も重要なことを見つけ、それを終活のプロセスに組み込むことが大切です。
しっかりと終活を進め、自分の人生に区切りをつける準備をしていきましょう。
おひとり様が終活を早めに取り組むべき5つ理由
おひとり様と呼ばれる方々、自分一人で生活する皆さんに向けて、終活の重要性について語りたいと思います。
身近な人がいないからこそ、終活は早めに始めるべきです。なぜなら、生活のさまざまな場面で自己決定が必要となるからです。
病気・怪我の可能性
何が起こるかわからないのが人生です。
思いがけない病気や怪我が起きた場合、入院や手術が必要になることもあります。
しかし、「おひとり様」の場合、入院時の日常生活のサポートや、退院後の生活準備など、身近な人に頼れない問題が出てきます。
事前に終活を進めておけば、医療や介護に関する意向を明確にし、適切なサポートを受けることが可能になります。
生活環境の変化・整備
生活環境の変化に備えることは、健康や生活品質に直接影響を与えます。
加齢や健康状態の変化により、現在の生活環境が適切でなくなる可能性があります。例えば、大きな家を維持するのが困難になったり、階段のある住宅での生活が難しくなったりすることがあります。
このような場合、事前に小さな家に引っ越す、あるいはバリアフリーの住宅に改装するなどの準備が必要となります。また、必要に応じてサポートを提供するサービスや施設との連携も重要です。
終活を通じて、自分がどのような生活環境で老後を過ごしたいのか、どのようなサポートが必要なのかを明確にし、事前に準備をすることで、より快適で安心した生活を送ることが可能となります。
孤独死の可能性
誰もが避けたい孤独死ですが、”おひとり様”のリスクとして、避けて通れません。頼れる人がいない場合、何かあった時にすぐに気づかれることは難しいです。終活を早めに始めることで、将来的な安心のための準備ができます。
たとえば、定期的な見守りサービスの利用や、近隣とのコミュニケーションを深めるなどの対策が考えられます。
希望の葬儀・供養
人生の最終ステージに関わるのが葬儀や供養です。
これらの希望は、身寄りがなければ希望通りに行われる保証がありません。
しかし、終活により自分の意志を明確にし、事前に葬儀社と契約を結ぶなどすることで、自分の望む葬儀や供養を実現できます。
資産の処分方法
自分が築いてきた財産が適切に処分されなければ、所有物が放置されるだけでなく、大切な思い出の品までが処分されてしまうかもしれません。
しかし、終活を通じて、遺産の分配や財産の処分方法を事前に計画しておけば、自分の希望通りに財産を処分することが可能になります。
【まとめ】
いかがでしたか。ひとりでいることには自由さもありますが、その一方で、自分自身の最後の時をどう過ごすか、誰にも頼ることなく自分で決定しなければならないという事実に直面します。
おひとり様の終活は、早めに始めることが必要です。
このコラムでは、終活に取り組む上で特に重要なポイントをいくつか挙げてみました。各項目が一人ひとりの生活にどう影響を及ぼすかを考えてみると、その必要性がより具体的に感じられるかもしれませんね。
そして、それらを適切に処理するための具体的なステップも示しました。自分の生活をよりよくするための行動計画を立てるための一助となれば幸いです。
「おひとり様」の皆さんには、是非とも自身の終活について考え、計画を始めてみてください。一歩を踏み出すことで、あなたの未来は必ず明るくなります。
終活は決して悲しいものではなく、むしろ自分の人生を自分の手でコントロールする大切な行為です。あなたの人生を最後まで素晴らしいものにするための一助となれば、この記事が果たす役割は十分だと思います。
以上、おひとり様の終活の必要性とその具体的な手順についての説明でした。未来のあなた自身への大切な贈り物として、早めの終活をぜひ考えてみてください。