「この空き家、しばらく利用する予定はないけれど、電気ブレーカーは落とした方がいいのだろうか…」とお悩みではないでしょうか。
空き家では、電気系統のトラブルが起こりやすく、最悪の場合、漏電による火災の原因にもなり得るため、十分に注意する必要があります。
このコラムでは、「空き家のブレーカーは落としておくべきか?」、「電気代を節約するためにはどのような措置を講じるべきか?」といった疑問について解説します。
空き家の電気ブレーカーについてご不安を感じている方は、ぜひご一読ください。
空き家の整理・片付けについては以下のコラムで詳細に解説しています。もしご興味がございましたらご覧ください。
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どうする?空き家のブレーカー問題
空き家のブレーカーを落とすのか、落とさないのか問題は、空き家の安全管理や維持費用に直結する問題ですので、安全性を確保し、無駄な電気代を削減する上でブレーカーの管理が重要になります。
このセクションでは、ブレーカーを落とすかどうかの選択肢と、その影響について解説します。
落とすべき?空き家のブレーカー落としのメリット
ブレーカーを落とす最大のメリットは、漏電のリスクを減らし、火災の可能性を低減することです。
多くの場合、空き家には古い家電などが残っており、配線なども複雑に延長コードで配線されているケースもあります。このような場合、古くなった家電の漏電や配線のショートによる火災につながる危険性もあります。
また、長期間放置されている空き家の場合、屋内で繁殖したネズミがコードの絶縁体を噛みちぎってしまい火災につながることもあります。
ブレーカーを落とすことでこのようなトラブルを防止することができるのです。
また、ブレーカーを落とすことで不要な電力消費を防ぎ、電気代の節約にもつながるというメリットもあります。
落とさない選択の理由とその影響
一方で、ブレーカーを落とさない選択もあります。
床下換気や24時間換気、セキュリティシステムなど、一部の電気機器が常時稼働している必要がある場合がその例です。
ただし、ブレーカーを入れたままにしておくと、漏電のリスクが増えるほか、不要な電力消費によるコストも発生します。この選択をする場合は、定期的なメンテナンスと安全チェックが必須となります。
ブレーカーの操作方法
一般的なブレーカーは、キッチンや脱衣所などの情報に設置されている場合がほとんどです。
本体左にメインのスイッチがあり、左側には電気系統別の安全ブレーカースイッチが配置されています。電気系統は各部屋ごとなどわかりやすく配電されている場合がほとんどなので、その安全ブレーカースイッチ1つごとに1部屋割り当てられていると考えて良いでしょう。
メインのスイッチを切れば、すべての電気が遮断されますので、一つ一つすべてのスイッチを切る必要はありません。
空き家のブレーカーを落とす場合は、空き家をから帰るときに忘れずにブレーカーのメインスイッチを落とし、再度訪問したときに真っ先にメインスイッチを入れる、という操作をすると良いでしょう。
漏電リスクを回避するための秘訣
電気が使用できる状態のまま、空き家を長期間放置していると、火災の危険性が大きな課題になります。
空き家の火災事故については、放火を除くと、漏電により火花が発生し、それが燃えやすいものに燃え移り、火災になってしまうケースが多いと言われています。
思わぬ火災を防ぐためには、定期的な点検をする必要がありますが、実際にそこまで管理されている空き家は多くはありません。
漏電のチェック方法とその対策
ブレーカーをチェックすれば、漏電しているかどうか確認することができます。まず、家の中の全ての家電をオフにした状態で、電気メーターを確認します。
もしメーターが動いていたら、どこかで漏電している可能性が高いということになります。
また、コンセントのプラグは使用しない時には抜いておく、湿気の多い場所では電気製品を使わない、プラグの周りはきちんと掃除してホコリが溜まらないようにするなど予防も効果的です。
知っておきたい空き家の電気料金削減術
空き家であれば、電気の使用料金はたかが知れていますが、電気契約をしている限り、最低限の基本料金は発生します。
基本料金については、電気契約の見直しで、実際の使用量に見合ったプランに変更することも効果的です。
空き家でも節約!電気代の見直し方
多くの電力会社(または小売電気事業者)では複数のプランを用意しています。
料金の安いプランに変更することで、月々の電気代を削減することができます。
基本使用料が低額のプランは、その分使用できるA(アンペア)数が制限されており、「複数の家電を同時に利用できない」、「ドライヤーなどの出力の高い家電を使えない」という状況になりがちです。しかし、空き家で照明をつける、掃除機を使うといった程度であれば、何不自由なく使用することができます。
さらに、使用していない電気機器のプラグを抜く、またはメインのブレーカーをオフにすることも、簡単にできる節電対策の一つです。
電気代が急増?チェックすべきポイント
電気代が急に増加した場合、漏電や不正使用の可能性があります。
まず、全ての電気機器がオフになっているか確認し、それでも電気メーターが動いている場合は、漏電の可能性が考えられます。
また、空き家に無断で侵入され、電気を使用されているという可能性も考えられます。そのような自体を防ぐために、定期的な現地確認も必要です。
空き家が燃えた!その責任は誰にある?
例えば漏電が原因で空き家が燃えて、隣家まで類焼してしまった場合、その責任は一体誰にあるのでしょうか。
通常、誰かの持ち物を壊してしまったら、弁償する(損害を賠償する)必要があります。火災に関しても普通に考えれば、延焼してしまった隣家へ賠償する必要があるはずです。
ところが、財産の消失という過酷な被害生じる火災については「失火責任法」という法律により、「重大な過失が認められない場合は、損害賠償を負わなくてよい」と定められているのです。
つまり、適切に管理していたのに、落雷で火災になり隣家へ延焼してしまった場合や第三者により放火されてしまった場合などは、所有者の「重大な過失」にあたらないため、隣家への賠償責任を負うことはないということなのです。
ここで重要なのが「重大な過失がなければ」という要件です。所有者側に「これはあなたの落ち度ですよね?」と責められる点がなければ、責任は免れることができます。
例えば、『老朽化していて漏電する可能性の高い旧式の家電を放置していた』という管理状況は(判断は司法に委ねられますが)重大な過失と判断される可能性は十分にあります。
重大な過失が認められた場合、所有者に賠償責任が発生するため、多額の費用が必要になってしまうのです。このような自体担ってしまったときのために、空き家であっても火災保険には必ず加入しておくようにしましょう。
空き家とブレーカーに関する疑問に回答します。
このセクションでは、空き家とブレーカーにまつわるよくある疑問に一つ一つ回答していきます。
Q: ブレーカーは落としておくべきですか?
A: 長期間家を空ける場合は、漏電や火災を防ぐためにブレーカーを落としておくことが望ましいです。ただし、電源が必要な設備がある場合は要注意です。
Q: 漏電とは具体的にどのような状態を指しますか?
A: 漏電とは、電気が絶縁されているはずの部分から不正に流出してしまう状態のことを指します。
Q: 空き家の漏電を防ぐにはどうすれば良いですか?
A: ブレーカーを落とすこと以外では、定期的な点検と古くなった電気設備の更新、漏電遮断器の設置が有効です。
Q: ブレーカーが落ちる原因は何ですか?
A: 過負荷や短絡、漏電などが主な原因です。定期的な設備点検で原因を特定することが大切です。
Q: 空き家の電気代を節約するにはどうすればいいですか?
A: アンペア数を見直し、不要な電気機器を抜く、またはブレーカーを落としておくことで節約できます。
Q: 空き家に電気を供給し続けるメリットはありますか?
A: 住宅の設備(セキュリティや24時間換気など)に電力が必要な場合があります。
Q: ブレーカーを落とすと電気代は0円になりますか?
A: 0円にはなりません。ブレーカーを落とすことで消費電力は大幅に減少しますが、通常は基本料金がかかります。
Q: 空き家のブレーカーが落ちたときの対処法は?
A: 原因を特定するために、まずは電気設備を一つずつ点検してください。
【まとめ】空き家の電気ブレーカー問題を徹底解説!
本コラムでは空き家のブレーカー問題について、落とすメリットとデメリットをご紹介しました。
また、ブレーカー問題から発展して、漏電リスクや火災になったときの責任の所在についても解説しました。
事故を防ぐためには、ブレーカーを落とす方が望ましいですが、24時間換気など常時電力が必要な設備がある場合は注意が必要ということと、維持費用を最小化するための電力契約プランの変更についても触れました。
解決・空家サポートでは、他にも「【空き家所有者必見】郵便受け(ポスト)のテープ対策、貼る?貼らない?」といった空き家に関する疑問に回答するコラムもご用意しています。
このコラムが空き家のブレーカー問題にお悩みの方のお役に立てば幸いです。