大切な人を亡くし、遺品整理を行う際、写真やアルバムの扱いに悩む方は少なくないでしょう。写真には故人との思い出が詰まっており、簡単に処分できないもの。かといって、全てを残すことも現実的ではありません。
本コラムでは、遺品整理で出てきた写真やアルバムを上手に整理する方法をご紹介します。
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仕分け前の準備
写真やアルバムの整理を始める前に、まずは仕分けの準備が必要です。
- 写真やアルバムの量を把握するために、一箇所に集める
部屋の隅々まで探し、写真やアルバムを全て集めましょう。本棚や押し入れ、タンスの引き出しなど、保管場所はさまざまです。 - 写真・アルバム専用の箱を用意する
集めた写真やアルバムを一時的に保管するための専用の箱を用意しておくと便利です。仕分け作業のスペースを確保することにもつながります。 - パソコン・スマホ内の写真データも確認する
遺品の中にはデジタル写真が含まれている可能性もあります。故人が使用していたパソコンやスマートフォンのデータもチェックしておきましょう。 - ビデオテープ・写真フィルムのデジタル化を検討する
ビデオテープや写真フィルムは、そのままでは劣化が進んでしまいます。デジタル化することで、長期的な保存が可能になります。写真店などに依頼することを検討してみてください。
遺品整理時の写真の仕分け方
写真やアルバムの量を把握できたら、いよいよ仕分け作業に入ります。一枚一枚丁寧に見ていきながら、残すもの、処分するものに分類していきましょう。その際、以下のようなポイントを意識すると、スムーズに進められます。
- 親しい親族や家族が写っている写真を優先して残す
家族写真や親戚との集合写真など、思い出深い1枚を選びましょう。遠方に住む親族と集まる機会に、写真を見ながら故人を偲ぶことができます。 - 成人式・結婚式など記念写真を残す
人生の節目となるイベントの写真は、故人の姿が生き生きと写っているはず。あまり枚数が多くなりすぎないよう、厳選して残すのがおすすめです。 - 似たような写真は1枚だけ残す
旅行先で撮影した写真など、似たような構図の写真が複数ある場合は、最も思い出に残る1枚を選びましょう。全てを残そうとすると、保管場所を圧迫してしまいます。 - 焦らずじっくり取り組む
写真の整理は、故人を偲ぶ大切な時間でもあります。無理に急がず、思い出に浸りながら、少しずつ仕分けを進めていきましょう。判断に迷う写真は、一旦保留にしておくのも一つの方法です。
写真の仕分けは、泣いたり笑ったりと感情の起伏が大きい作業かもしれません。心に余裕を持って、自分のペースで取り組むことが大切です。
遺品整理後に後悔しないための写真の保存方法
写真の仕分けが終わったら、残すことにした写真をどのように保存するか検討します。大切な写真を劣化から守り、いつでも思い出を振り返られるよう、保存方法を工夫しましょう。
新しいアルバムへの保存
- 仕分けした写真を新しいアルバムに貼り直す
古いアルバムから写真を外し、新しいアルバムに貼り直すことをおすすめします。写真を傷めないよう、丁寧に扱ってください。アルバムのサイズは、保管場所に合わせて選びましょう。 - 湿気がこもらず、風通しの良い場所で保管する
アルバムは湿気に弱いため、風通しが良く直射日光の当たらない場所で保管することが大切です。クローゼットの上段や、本棚の奥などが適しています。シリカゲルを一緒に保管すると、湿気対策になります。
デジタルデータとしての保存
- スキャナーやスマホアプリを使ってデータ化する
写真をデジタルデータとして保存することで、劣化を防ぎ、場所を取らずに保管できます。自宅のスキャナーやスマホの専用アプリを使えば、自分でデータ化が可能です。 - 写真屋さんや専門業者に依頼してDVDやCD-ROMに記録する
大量の写真をデータ化する場合は、写真店や専門業者に依頼するのが効率的です。DVDやCD-ROMに記録してもらえば、パソコンで簡単に閲覧できます。 - デジタルフォトフレームで飾る
デジタル化した写真は、デジタルフォトフレームを使って部屋に飾ることができます。故人を身近に感じながら、日々の生活を送れるでしょう。 - クラウドサービスを利用して遠方の親戚とも共有する
クラウドサービスを活用すれば、デジタル化した写真を遠方の親族とも共有できます。皆で故人を偲び、思い出を語り合うことができるでしょう。
形見としての分配
- 故人と親しい友人や親族に写真を形見として渡す
故人と一緒に写っている写真を、親しい友人や親族に形見として渡すのも一つの方法です。写真に込められた思い出を、大切な人と分かち合うことができます。 - 相手に迷惑がかからないか確認してから渡す
ただし、写真は非常にプライベートなものです。相手の気持ちを考えずに押し付けてしまわないよう、事前に確認を取ってから渡すようにしましょう。
写真の保存方法は、それぞれに長所と短所があります。自分の生活スタイルや保管場所、故人との思い出の深さなどを考慮して、最適な方法を選びましょう。
遺品整理で出てきた写真の処分方法
仕分けの結果、処分することになった写真の扱い方も重要です。故人のプライバシーに配慮しつつ、適切な方法で処分を進めましょう。
プライバシーに配慮した処分
- 紙に包むなどして第三者に見られないようにする
故人の写真が外部の人の目に触れないよう、不透明な紙に包んでから処分します。封筒に入れるのもよいでしょう。 - 破る、シュレッダーにかける、漂白剤に浸すなどの方法がある
写真を破ったり、シュレッダーにかけたりすることで、再生不可能な状態にします。漂白剤に浸すのも一つの方法です。ただし、故人の写真を物理的に破壊することに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
ゴミとしての分別・処分
- 自治体の規則に従って可燃ゴミとして処分する
多くの自治体では、写真は可燃ゴミとして処分できます。ただし、大量の写真を一度に出すのは避け、少しずつ処分するのがマナーです。 - アルバムは金属部品・プラスチック部分・紙部分に分別する
アルバムを処分する際は、素材ごとに分別が必要です。金属部品、プラスチック部分、紙部分に分け、それぞれ適切な方法で処分しましょう。素材別の分別方法は、自治体によって異なる場合があるため、確認が必要です。
業者への回収依頼
- 遺品整理業者にアルバムごと回収を依頼する
大量の写真やアルバムを処分する必要がある場合は、遺品整理業者に依頼するのも一つの方法です。アルバムごと回収してもらえるため、分別の手間が省けます。 - 分別作業が不要になる
業者に回収を依頼することで、素材ごとの分別作業が不要になります。ただし、費用がかかることを念頭に置いておく必要があります。
写真の処分は、故人の尊厳を損なわないよう、細心の注意を払って行うことが大切です。自分だけで判断に迷う場合は、家族や親しい友人に相談するのもよいでしょう。
写真の処分にどうしても抵抗を感じてしまう場合は
故人の写真を処分することに、強い抵抗を感じる方もいるかもしれません。そんな時は、以下のような方法を検討してみてください。
お焚き上げ
- 寺院や神社でお焚き上げをしてもらう
写真を供養してから処分したい場合は、寺院や神社に相談してみましょう。お焚き上げを行っている場所もあります。僧侶や神主に想いを伝えながら、故人を偲ぶことができるでしょう。 - 遺品整理業者やオンラインのお焚き上げ代行業者に依頼する
自分で寺院や神社を探すのが難しい場合は、遺品整理業者に相談するのも一つの方法です。また、オンラインでお焚き上げ代行サービスを提供している業者もあります。申し込み方法や料金について、事前に確認しておきましょう。
白い布や紙で包んで処分する
- 写真を見えなくして通常の書類のように処分する
写真を白い布や紙で丁寧に包み、外から見えないようにして処分する方法もあります。故人の写真を直接見ずに済むため、心理的な負担を軽減できるかもしれません。 - 感謝の気持ちを伝え、お清めの塩を撒く
写真を包む前に、故人に感謝の気持ちを伝えましょう。また、塩を少量振りかけることで、お清めの意味を込めることができます。心を込めて、故人との思い出に区切りをつけましょう。
写真の処分は、人によって受け止め方が大きく異なります。自分の気持ちに正直に向き合い、無理のない方法を選ぶことが大切です。
【まとめ】遺品整理で出てきた写真やアルバムを上手に整理する
遺品整理で出てきた写真やアルバムの扱いに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、写真の仕分けから保存、処分までの一連の流れを解説しました。
写真の整理は、故人を偲ぶ貴重な時間でもあります。この機会に、思い出に浸りながら、前を向いて進んでいく一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。