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空き家の固定資産税から火災保険まで!維持費用の目安と対策

空き家の固定資産税から火災保険まで!維持費用の目安と対策

空き家を所有している方、あるいは実家が空き家になりそうだと感じている方、少なくないのではないでしょうか。空き家の維持管理には、さまざまな費用がかかることをご存じでしたか?

税金やインフラの基本料金など、空き家の維持には多岐にわたる費用が発生します。これらの費用は、放っておくと気づかないうちに大きな負担になってしまうことも。

でも、ご安心ください。このコラムでは、空き家の維持費用の内訳と相場、そして賢く管理して費用を節約する方法をわかりやすく解説します。

ぜひこのコラムを参考に、空き家の維持管理について理解を深め、あなたの空き家を将来につなぐ価値ある資産として維持していってください。

空き家の維持費用はいくら?知っておきたい内訳と相場

空き家の維持費用は、固定資産税や都市計画税、火災保険料、電気・水道・ガスの基本料金、管理費用など、さまざまな項目があります。

空き家を所有している、あるいは実家が空き家になりそうだと感じている方にとって、維持費用がどのくらいかかるのか気になるところですよね。

空き家の維持費用は、固定資産税や都市計画税、火災保険料、電気・水道・ガスの基本料金、管理費用など、さまざまな項目があります。

これらの費用は、物件の所在地や建物の状態、管理方法などによって異なりますが、一般的な相場としては年間で20万円から50万円程度と言われています。

以下は都心から30km程度の郊外にある30坪程度の庭付き戸建てをイメージした空き家の年間の維持費用(合計23万~40万)のサンプルです。

税金:10~15万/年

火災保険:10~15万/年

庭木の手入れ:3~6万/年

インフラ使用料:1~2万/年

交通費:1~2万/年

ただし、これはあくまでも目安であり、古い建物や広い敷地の場合はさらに費用が嵩む可能性があります。

以下では、主な維持費用の項目ごとに、その概要と平均的な相場を詳しく解説していきます。空き家の所有者の方はもちろん、これから相続などで空き家を引き継ぐ可能性のある方も、ぜひ参考にしてください。

空き家の固定資産税・都市計画税はどう計算する?節税のコツも解説

空き家の維持費用の中で大きな割合を占めるのが、固定資産税と都市計画税です。

固定資産税土地や家屋などの固定資産の所有者に課される税金で、市町村が課税および徴収を行います。
都市計画税都市計画事業や土地区画整理事業など、まちづくりのための費用を賄うために課される税金です。

固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%が標準とされています。つまり、固定資産税評価額が1,000万円の空き家の場合、年間の固定資産税は14万円、都市計画税は3万円となります。ただし、小規模住宅用地や一般住宅用地の場合、課税標準額が一定の範囲で減額されるため、実際の税額はこれよりも低くなります。

空き家の火災保険料は必要?安心を得るための保険選びのポイント

空き家の維持費用を考える上で、火災保険料は非常に重要な項目です。火災保険は、火災や落雷、風災、水災などによる建物の損害を補償してくれる保険です。空き家の場合、常に人の目が行き届くわけではないため、放火による火災などのリスクが高くなります。

しかし、空き家の場合、一般的な住宅用の火災保険に加入できないケースが大半です。空き家は、常時使用されていないため、保険会社が定める「常時使用される住宅」の条件を満たさないためです。

そのため、空き家の所有者は、「一般物件」と呼ばれる事業施設用の火災保険に加入する必要があります。一般住宅の火災保険は、住宅用の火災保険と比べて保険料が高くなる傾向がありますが、空き家特有のリスクに対応した補償内容となっています。

火災保険料は、建物の構造や面積、所在地、築年数などによって異なりますが、空き家ではない一般的な住宅では年間で1万円から7万円程度です。これが空き家の火災保険になると、保障内容にもりますが、1.5~5倍程度かかります。

火災保険を選ぶ際は、補償内容や保険金額、保険期間などをよく確認し、空き家のリスクに見合った内容を選ぶことが大切です。また、管理費用や修繕費用など、他の維持費用とのバランスを考えながら、保険料の予算を決めることも重要です。

空き家の火災保険は、万が一の火災や自然災害によって建物が損傷した際の修繕費用を補償してくれるため、空き家の所有者にとって必須の保険と言えます。火災保険の必要性とコストを十分に検討し、自分の空き家に適した保険を選ぶことが、空き家の資産価値を守る上で重要なポイントとなります。

忘れがちな庭木や雑草の管理費用

空き家の維持費用を考える際、庭木や雑草の管理にかかる費用も見逃せません。放置された庭は、景観の悪化だけでなく、隣家や道路への越境問題や、倒木や火災、害虫の発生など、さまざまなリスクを引き起こす可能性があります。

庭木の管理で最も重要なのは、定期的な剪定です。剪定を怠ると、庭木が伸び放題になり、倒木や枝の落下によって建物や隣地に被害を及ぼすことがあります。また、日光が遮られることで、庭全体が暗くなり、雑草が繁茂しやすくなります。

剪定の頻度や費用は、庭木の種類や大きさ、形状などによって異なります。一般的な庭木であれば、年に1~2回程度の剪定で十分です。剪定の費用は、業者に依頼する場合、1回あたり数万円から10万円程度が相場です。

また、剪定の手間が面倒であれば、庭木そのものを伐採してしまうことで、今後の管理の手屋は費用を節約することができます。ただし、庭木を伐採してしまうと、外観が大きく変わってしまったり、外から敷地内を簡単に覗けるようになってしまう可能性がありますので、事前に入念な検討が必要です。

雑草の管理も、庭の美観を保つ上で欠かせません。雑草を放置すると、庭全体が荒れた印象になるだけでなく、害虫や野生動物を呼び寄せる原因にもなります。また、枯れた雑草は火災のリスクを高めます。

雑草対策としては、定期的な除草が基本です。年に3~4回程度、草刈りや抜き取りを行うことで、雑草の繁茂を抑えることができます。除草の費用は、庭の広さや雑草の量によって異なりますが、業者に依頼する場合、1回あたり数万円程度が相場です。

ただし、頻繁な除草は手間とコストがかかります。防草シートを活用することで、除草の頻度を減らすことができます。

庭木や雑草のトータルの管理費用は、庭の広さや状態によって大きく異なりますが、年間で数万円から数十万円程度が一般的な相場です。

空き家の庭を適切に管理することは、建物の保全だけでなく、周辺の住環境の維持にも役立ちます。定期的な剪定と除草を行い、庭木や雑草の管理費用を適切に把握することが、空き家の資産価値を守る上で重要なポイントと言えるでしょう。

空き家の電気代・水道代はどうなる?基本料金と節約方法

空き家の維持費用を考える際、電気代や水道代も無視できない項目です。電気や水道は、空き家であっても基本料金が発生します。この基本料金は、使用量に関わらず毎月一定額が請求されるため、長期間の不在では無駄な出費となってしまいます。

電気代の基本料金は、契約アンペアによって異なりますが、一般的な家庭用の契約では月額1,000円から2,000円程度が相場です。水道代の基本料金は、自治体によって異なりますが、月額1,000円前後が一般的です。

空き家の電気代・水道代を節約するには、まず契約アンペアを見直し、必要最小限の契約に変更することがおすすめです。また、長期不在が予定されている場合は、電気・水道の使用を停止することで基本料金の発生を避けることができます。ただし、水道の場合は、管理上の理由から定期的な通水が必要なため、完全に停止することは難しいでしょう。

空き家の電気代・水道代は、適切な契約と管理によって節約することが可能です。しっかりと把握し、対策しましょう。

空き家の管理費用はどのくらい?自主管理とプロ依頼の選び方

空き家の維持費用を考える上で、管理費用も重要な項目の一つです。管理費用には、事業者の提供サービスにもよりますが、一般的には定期的な清掃や点検、草刈りや剪定、小さな修繕など、空き家を適切な状態に保つために必要な作業が含まれます。

空き家の管理は、自主管理とプロに依頼する方法の2つがあります。自主管理の場合、費用を抑えることができますが、定期的な訪問と作業が必要となるため、時間と労力がかかります。一方、プロに依頼する場合は、月額数千円から1万円程度の費用がかかりますが、専門的な知識と経験に基づいた管理を任せることができます。

自主管理とプロ依頼、どちらを選ぶべきかは、空き家の状態や所有者の事情によって異なります。頻繁に訪問できる距離にある場合は、自主管理も検討に値するでしょう。しかし、遠方にある場合や、管理に十分な時間を割けない場合は、プロに依頼するのが賢明です。

また、プロに依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較することが大切です。安価な業者が必ずしも良いとは限らないため、実績や評判もチェックしましょう。

空き家の管理費用は、物件の状態や管理方法によって大きく異なります。自分の空き家に適した管理方法を選び、適切な予算を確保することが、空き家の資産価値を維持するために不可欠です。

空き家の修繕・メンテナンス費用に備える!トラブル予防の秘訣

空き家の維持費用を考える際、定期的な修繕やメンテナンスに関する費用も見逃せません。適切なメンテナンスを怠ると、小さな不具合が大きなトラブルにつながり、結果的に多額の修繕費用が必要になることもあります。

空き家の修繕・メンテナンス費用は、建物の築年数や状態によって大きく異なります。一般的に、築年数が経過した建物ほど、修繕やメンテナンスの頻度が高くなり、費用もかさみます。例えば、屋根の葺き替えや外壁の塗装、設備の更新などは、10年から20年ごとに必要になることが多く、その都度、数十万円から数百万円の費用が発生します。

また、突発的なトラブルに備えて、緊急の修繕費用も考慮しておく必要があります。台風や大雪、地震などの自然災害によって、屋根や外壁、設備などが損傷した場合、速やかな修繕が求められます。

半日程度で直るような補修であれば数万円程度で済むケースが大半ですが、屋根や壁に穴が開く、といった大きな修繕であれば数十万円に及ぶこともあります。

空き家の維持費を大幅カット!節約のための実践テクニック

空き家の維持費用を放置していると、気づかないうちに大きな負担になってしまうことがあります。

空き家の維持費を節約するには、各費用の特性を理解し、自分の状況に合った対策を講じることが大切です。無駄な出費を減らし、必要な管理は確実に行う。そのバランス感覚が、空き家の資産価値を守る秘訣だと言えるでしょう。

空き家の固定資産税を減税する方法!特例措置の活用術

空き家の維持費用の中で大きな割合を占める固定資産税。この税金を減らすことができれば、全体の維持費用を大幅に節約できます。

例えば、自治体により、空き家バンクへの登録による固定資産税の減税措置が受けられるケースがあります。

空き家バンクとは、自治体が運営する空き家の登録制度のことを指します。この制度に登録された空き家については、一定期間、固定資産税の課税標準額が最大で2分の1に減額されます。ただし、自治体によって制度の内容が異なるため、詳細は各自治体に確認する必要があります。

また、空き家を解体して更地にした場合も、固定資産税の減税措置を受けられる可能性があります。更地にすることで、住宅用地の特例措置の適用を受けられなくなりますが、その代わりに、土地の評価額が下がるため、結果的に税額が減少することがあります。

これらの減税措置を受けるためには、一定の手続きが必要です。例えば、住宅用地の特例措置を受けるには、市町村に申告する必要があります。

空き家バンクへの登録も、自治体の定める手続きに従う必要があります。手続きを忘れると、せっかくの減税措置を受けられなくなってしまうため、注意が必要です。

空き家の固定資産税を減らすには、これらの特例措置や減税制度を上手に活用することが重要です。自分の空き家が適用対象になるか確認し、必要な手続きを着実に行うことで、維持費用の大幅な節約につなげましょう。

賢く管理して空き家の維持費を抑える!効率アップの工夫

空き家の維持費用を節約するには、賢く効率的な管理が欠かせません。ここでは、空き家の管理に関する実践的な工夫をいくつか紹介します。

まず、定期的な通水・通電です。水道や電気を完全に停止してしまうと、配管の劣化や電気系統のトラブルにつながる可能性があります。定期的に水を流したり、電気を通したりすることで、設備の長寿命化を図ることができます。ただし、使用量を最小限に抑えることが大切です。

次に、不要な設備の停止や契約の見直しです。空き家に設置されている設備の中には、必ずしも必要でないものがあるかもしれません。例えば、ガスや電話、インターネットなどの契約は、空き家の状態に合わせて停止や解約を検討しましょう。契約内容を見直すことで、無駄な支払いを減らすことができます。

また、自主管理とプロ依頼の使い分けも重要です。簡単な清掃や点検、草刈りなどは、自分で行うことで管理費用を抑えられます。一方で、専門的な知識や技術が必要な作業は、プロに任せるのが賢明です。自分でできることとプロに任せるべきことを見極め、バランスの取れた管理を心がけましょう。

さらに、管理作業の効率化も大切です。例えば、草刈りや剪定は、適切な時期に行うことで、作業量を減らすことができます。また、清掃道具や工具を整理整頓し、必要な物をすぐに取り出せるようにしておくことで、作業時間を短縮できます。

空き家の維持費を抑えるには、このような小さな工夫の積み重ねが大切です。定期的な通水・通電、不要な設備の停止、自主管理とプロ依頼の使い分け、管理作業の効率化など、できることから始めてみましょう。賢く効率的な管理を行うことで、空き家の維持費用を大幅に節約できるはずです。

計画的な修繕・メンテナンスで空き家の長寿命化!費用対効果の高い方法

空き家の修繕・メンテナンスは、費用がかかるからと言って、先延ばしにしてはいけません。計画的に修繕・メンテナンスを行うことが、空き家の長寿命化につながり、結果的に費用を抑えることができるのです。

まず、定期的な点検の重要性を理解しましょう。年に1~2回は、屋根や外壁、設備などの点検を行い、不具合の有無を確認します。小さな不具合を見逃すと、大きなトラブルに発展する可能性があります。早期発見・早期対処が、修繕費用を抑えるカギになります。

次に、計画的な修繕の必要性です。屋根の葺き替えや外壁の塗装、設備の更新など、大規模な修繕は、建物の状態や環境に応じて、計画的に行う必要があります。修繕時期を逸してしまうと、損傷が進行し、修繕費用が高額になってしまうことがあります。

また、修繕積立金の確保も大切です。大規模な修繕に備えて、毎月一定額を積み立てておくことで、修繕時の財政的な負担を軽減できます。修繕積立金の目安は、建物の再建築費用の1%程度と言われています。

ただし、むやみに修繕を行うのは得策ではありません。費用対効果を考慮し、優先順位を付けることが重要です。例えば、屋根の葺き替えは、外壁の塗装よりも優先度が高いと言えます。屋根の損傷は、建物全体に影響を及ぼす可能性があるからです。

空き家の修繕・メンテナンスは、計画的に行うことが大切です。定期的な点検で不具合を早期発見し、計画的な修繕で建物の長寿命化を図る。そして、修繕積立金を確保し、費用対効果を考慮して優先順位を付ける。こうした計画的なアプローチが、空き家の資産価値を維持し、維持費用を抑える秘訣なのです。


空き家を維持する場合、一度すべての家財の整理をしておくと、管理が大変やりやすくなります。また、将来売却などの利活用をする際もスムーズに進めることが可能です。
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【まとめ】空き家の維持費用と適切な管理で資産価値を守る!

空き家の維持には、固定資産税や都市計画税、メンテナンス費用など、さまざまな費用がかかります。

空き家の維持は、所有者にとって大きな責任であり、時には負担に感じることもあるでしょう。しかし、適切な管理を怠れば、かえって費用がかさみ、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。

空き家の維持費用と適切な管理は、表裏一体の関係にあります。費用を抑えつつ、適切な管理を行うことが、空き家の資産価値を守る秘訣です。定期的な点検と計画的な修繕、そして適切な管理を通じて、空き家を将来につなぐ価値ある資産として維持していきましょう。

このコラムの監修者

監修者:秋元 弥一郎
秋元 弥一郎FP / 空家コンサルタント/ 宅建士 

宅建士・ファイナンシャルプランナー・空き家相談アドバイザー・家財整理コンサルタント、等。
不動産業界10年以上の経験と、空き家の利活用から家財撤去まで幅広い経験を活かしながら、執筆者・監修者として活動中。

【著書】
自分ゴトとしての空き家問題今日から始める生前整理、など

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このコラムを執筆した人

解決・空家サポート 編集部

解決・空家サポート 編集部

解決・空家サポートは、数多くの空き家等にまつわるお悩みを解決してきました。
ゴミ屋敷の家財整理や残置物処理、空き家の定期巡回、庭木の剪定、古くなったお住まいの解体などのお悩み解決の経験を活かし、お悩み解決に役立つコラムをお届けします。

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